※ここで述べていることはあくまでも私自身が感じた個人的な意見で一般論ではありません。少しでもお役にたてば幸いです。

<色をコントロールしやすい陶材>

陶材を築盛していく時、たくさんの色を盛っていく多色築盛はしないとしても、あいだにカラーパウダーをはさんだり、透明度の強いエナメルを盛ったりすることはよくあることです。

画像処理編で述べたように赤色が不足してグリーンぽくなってしまうのと相乗効果でポーセレンを築盛、焼成していく度に明度がどんどん落ちていく方向に進み、明度が上がることはまずありません。また後ほど表面のトランスルーセントや表面ステインで明度を上げることも、ほとんど困難です。

そこでポーセレンパウダーに求められる絶対的な条件はオペーク、ボディの明度が高いということだと思います。クリエーションのパウダーはボディの明度がかなり高く、中にはさむカラーパウダーやエナメル、トランス陶材で明度をコントロールする範囲が非常に広くなりますので使いやすい陶材だと思います。

先程の画像処理を行い適所(特に歯頚部付近)に赤みの強いパウダーを使用し、クリエーションで明度を自由にコントロールして患者さんに喜んでいただける補綴物を作成できることは技工士の喜びでもあると思います。

下記症例は直接患者さんの口腔内でシェードを見たわけではなく、先生からいただいた画像を元に画像処理を行い作成し、納品した補綴物です。(1番目の症例のみ一度の試適させていただきました)

 

右上3番から左上4番と右下4番のケースです。

画像処理を行いシェードを解析、クリエーション陶材使用。歯頚部はかなり赤みの強いパウダーを使用しています。

患者さんの希望で若干明度を高めに作成。

 

左上2,3番をクリエーションで作成。

3番はかなり赤を強く作成しましたが、もう少し強くてもよかったと思います。

 

左上3番をクリエーション陶材で作成。

下顎の画像が切れていますがベースは反対側の3番、下顎の3,4番に合わせて、ネックは左上4、5番に合わせています。

作成後、模型上では真っ赤なポーセレンで本当に色が合っているのか心配でしたが・・・。先生からも模型上で見た第一声が「こんな色だった?」でした。

隣在歯4番にメタルインレーが入っているので補綴した3番遠心部が暗くなるのですがクリエーションの明度の高さでほとんど影響を受けていません。

 

 

 

 

 

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