よく患者さんに直接会ってシェードを取ったにもかかわらずポーセレンを色が合わないという話をよく聞きます。実際に写真を撮ってラボサイドで見ながら補綴物を作成しても同じ状況でエラーが起こってしまいます。
そのエラーの1番の原因は患者さんの天然歯のほうはピンク色(赤)の歯周組織に囲まれているため、目の錯覚で天然歯のピンク色が見えない状況に陥ってしまい、その反対色の緑色がかって見えてしまいます。特に歯周組織に近い歯頚部はその傾向が顕著です。故にその緑色がかったように見える天然歯とシェードガイドと同じ色と判断して補綴物を製作してしまい、患者さんにセットした時に暗い緑色がかったポーセレンになってしまいます。
色を計測する器械がありますが、肝心な歯頚部付近の計測は難しいようですし、ガミー等も歯冠全体のベースの色は取れますが、やはり多くの色情報が溢れている口腔内では歯の細部の色の確認は難しいものです。
ここで紹介する画像処理は難易度が高く、かなり難しい処理ですが習得すると直接口腔内でシェードを取るより、はるかに正確に色の錯覚なしに頭の中に色イメージを再現できます。そんなに難しい築盛方法をしなくても、他の天然歯にマッチした補綴物を作成可能です。ということは患者さんの前でこんな色だろうか?と考えながら無駄なシェードテイク時間を費やすこともなくなり、また時間が経過して歯が乾燥して色が変わってしまうことも防げます。
自分で、もしくはドクターサイドで撮影をマニュアル化して迅速に撮影を済ませ、ラボサイドに画像データを持ち帰り、これからご説明する画像処理を行えば色々な色が見えてきます!
|